台風18号の爪痕@伊勢神宮

連休初日の10日、所用があり伊勢神宮を訪れました。高速道路の渋滞を回避しようと午前7時前には家を出たのですが、一足遅かった…東名阪の四日市JCT伊勢湾岸道との合流地点)から四日市IC付近(車線が減少するところ)までノロノロ運転の渋滞でした。新名神が完成して以来平日でも混雑する場所なので仕方ないと言えばそれまでなのですが、朝の四日市渋滞と夕方の亀山渋滞に直面するたびに、新しい高速道路を繋げるにあたりどんな試算をしたのか、お金も時間もかかっているはずなのに?と腹立たしい気持ちになります。
ともあれ、この渋滞を抜けてしまえば伊勢までは車も少なく快適なドライブでした。台風一過の好天にも恵まれ、先ずは外宮を目指しました。
外宮さんには9時前に到着。まだ参拝の方も多くなかったので、早速、正面の鳥居をくぐります。昨日は外宮さんの参拝はできなかったようなのでちょっと心配しながら参道を歩くと、大勢の方々が落ち葉や折れた枝の掃除をされていました。集めた枝葉の山もあちこちにあります。でも、神楽殿には明かりが灯り人もいらっしゃる様子。その奥の御正殿も参拝できることが遠目で確認でき、一安心してお参りさせていただこうと歩いて行きました。ところが…なんと、風宮の横の大木が根元が裂け大きく傾いているではありませんか!
 


その奥、多賀宮の麓でも大きな木が根元から倒れていました。この木の頂上は多賀宮への参道を登ったところまで達していましたからその高さがどれほどのものか!何十年、何百年という年月を重ねた樹木がこのように薙ぎ倒されてしまうほど大きな台風だったんだ、ということを実感しました。


ところでこの日、私はお守りをいただくために、帰り際に再び外宮さんを訪れました。すると、倒れた樹木を取り除く工事のため風宮、土宮、多賀宮への道が塞がれているではありませんか!やはり順序は大切なのだなぁ、と近くまで参内させていただけた事への感謝の気持ちでいっぱいになりました。

さて、次に内宮さんへ向かいます。内宮さんでは遷宮の準備が粛々とすすめられています。今はちょうど五十鈴川に架かる橋を新しくしているところでした。


外宮さんで台風18号の残した惨状を見た後だったので少々心配したのですが、内宮さんはこの橋にも、参道にも台風の形跡は残されていませんでした。逆に参道があまりに綺麗だったので、近くてもこんなに違うものなのかと不思議に感じたくらいです。ところが一転、御正宮の前に辿り着くと、階段の麓(階段から見て右手)で参道脇の修復工事が行われていました。元々は樹齢800年とも言われる大きな木があったところです。倒れた木は、右の写真では見難いのですが、御正宮のすぐお隣の遷宮用の場所に一時的に退避されていました。これを見て、内宮の整然とした姿は神宮の方々が迅速に片付けられた尽力の賜物だという事がわかりました。
 


その他にも、風日祈宮への川には折れた木が上流から流れてきていました。橋脚を守るための柱のおかげで橋を直撃せずに済んだようですが、ひとつ間違えば、と想像すると恐ろしいです…


さて、今回はご縁がありまして、普段はなかなか立ち入る事のできない神宮茶室にてお茶をいただくという機会に恵まれました。不慣れで少々場違いな私に、最上のおもてなしで一服のお茶と楽しいひとときを下さった京都の皆さまに感謝します。
 


最後に、この時期にしかないお勧めのおみやげを。伊賀の蔵元、若戎の「ひやおろし」です。今年は9月1日に発売開始となったそうですが、11月中旬までの期間限定です。要冷蔵。私はいつもおはらい町の岡七酒店にて購入しています。いつ行っても熱心に説明をして下さるのでそれも楽しみに伺うのですが、今回はここの大旦那さん(?おじいちゃん)のお顔も見られてラッキーでした♪


<10月17日追記>
 伊勢神宮での表千家の献茶についてメモ。

  • お茶席は木村宗匠
  • 干菓子は太宰府「藤丸」製
  • 即中斎の掛け軸「神」と和歌(鎌倉の尼僧が水を汲むが、桶の底が抜け月とともに流れてしまったとの意)
  • 即中斎の風炉先(すすき)
  • 長板高野山の木を切り出した板、生地、面取りを朱塗り)
  • 水差し(伊勢神宮で火器として使っていたものを朱に塗ったもの)
  • 香合(伊勢の材木を使った七角形の香合。寿の文字。喜寿の祝い?)