オーストリアへの旅 その六/ウィーン観光編(5)

シュテファン大聖堂(St. Stephan)から散策がてら美術史博物館(Kunsthistorisches Museum)を目指す予定だったのですが、途中で道に迷ってしまい*1、観光どころではなくなってしまいました。地図を広げて通りの名を確認するのですがそれがどこかさえも見つけられず、随分歩いてヨレヨレになって、漸く美術史博物館へ辿り着きました。そのせいで、本当は見学予定だった目の前の自然史博物館(Naturhistorische Museum)へは行くことができず少々残念な結果に…それでも目的地には辿り着いたのですから!気を取り直して、早速建物の中へ足を踏み入れました。


中へ入って先ず目につくのはこの床です。写真は階上から見下ろしたものですが、存在感のあるモノトーンの模様は入り口に立った時の低い目線だともっと迫力があります。このかつて見た事の無い豪華で素敵な床の上を歩くだけで、ワクワクと楽しく幸せな気分になります。



そして次に視線を上へ移動すると、高い高い吹き抜けの天井があり、一番上の天窓からは明るい日差しが届きます。それにしても金彩まで施された彫刻の見事な事!目に入った瞬間、あまりの豪華さに思わずポカーンと口を開けてしまいそうでした。写真で拡大して初めてわかる細かさです。


 
正面の階段は、踊り場に足場が組んであり修復工事中でした。正面に見えるはずの彫刻(アントニオ・カノーヴァ作「ミノタウロスを殺すテセウス」)を見られなかったのは残念でしたが、その踊り場から天井を見上げるとムーンカーチ・ミハーイの大きな天井画「ルネッサンス賛歌」がありました。その他にも、若き日のクリムトが手がけた壁画があったり、まったく、展示されている作品だけでなく建物自体が歴史ある芸術で飾られているのですから、キョロキョロ・ソワソワと気が抜けません。



そしてこの美術史博物館では芸術と同じくらい楽しみにしていたカフェへも立ち寄りました。ウィーン市内にいくつものお店を構えているカフェ・ゲルストナー(Gerstner)。本来はケーキのお店なのでしょうが、軽食もなかなか美味しいという情報を得ていたので、ランチを兼ねてジャガイモとキノコのスープとカフェ・メランジュをいただきました。お腹に余裕があれば後からデザートをと思っていたのですが、ジャガイモとキノコがたっぷり入ったボリュームのあるスープだったので、ケーキまで辿り着けずに終わってしまいました。けれども絢爛豪華な芸術の真ん中でのんびりと美味しいお食事をいただけるなんて!本当に贅沢なひとときを堪能しました。

*1:後々地図を見ながら確認したところ、ナーグラー小路(Naglergasse)辺りを歩いていたようです。ちょうどここで紹介されている経路です。