2009 AUTOBACS SUPER GT 第7戦「FUJI GT 300km RACE」

昨日の雨、というよりも濃い霧の中で行われた予選の結果、なんとこのストレートの長い富士スピードウエイでEPSON NSXがポールを獲得しました。まぁ天候のおかげ*1というのもあるかもしれませんが、ARTA NSXが2位*2ということで、今回のレース前に決められた特別性能調整が利いているのかもしれません。

さて、決勝ですが結果詳細はニュースや本家のサイトでご覧いただくとして、CSでテレビ観戦した感想など。とにかく今日はファーマンが凄かったですねー。中継のアナウンサー曰く「キレッキレの走り」!(笑)コーナーのラインが他のマシンと全く違いました。あんな角度でコーナーに入ったら曲がりきれないか出口で加速できないでしょ、っていう予想に反して、クルリと曲がって加速していくんですから。しかも、あの長ーいストレートでもGT-RやSCに抜かれない。個人的にはNSXの勝利はとっても嬉しいです♪レース直後のチーム関係者へのインタビューで、土屋圭市エグゼクティブ・アドバイザーが感無量の様子で答えていらっしゃったのも印象的でした。それ以外では、ENEOS SCがもったいなかったですよね。決勝前のフリー走行で1位と手応えを感じていたでしょうし、実際決勝でも速かったですからねぇ。ま、接触されたEPSONからすればいい迷惑でペナルティも当然でしょうが、ホントついてなかったです。あとはラスト2周の最終コーナー。TOM'Sは抗議したそうですが、却下されていますね。これは仕方ないでしょう。この判定が覆るなら、GT300の最終ラップも審議対象ってことになってしまいます。でもそちらは抗議が出ていないようですから…ところで、TOM'Sが抗議といえばどうしても2006年シーズンを思い出してしまいます。*3勝負にこだわる気持ちが悪いとは思わないし、不満をお抱えて内に籠りがちな日本人としては納得いかないことを主張するのは大切なことだと思います。でも度が過ぎると周囲には「大人気ない」と映ってしまい、冷めた目で見られます。本当に必要なときの抗議も軽く扱われてしまう可能性があるので損なのに、と感じました。

それにしても、この結果を見るとやはり例の調整が利いていそうです。でももしそうだそしたら、NSXは下駄履かしてもらったから勝てたんじゃないの?と言われてもと否定できないし、素直に喜べないところです。

ところで、先の特別性能調整に関して公式に発表があったことをオートスポーツwebが知らせていました。この中の気になる部分をちょっと引用します。

なお、今季第4戦セパンまでGT300クラスの参加条件の変更、GT500クラスの特別性能調整の変更については、SUPER GT.net上のメディア専用ページで公開されていたが、それ以降は一切公開されておらず、今回のGT500クラスの特別性能調整の実施についてもメディア専用ページで公開されることは無かった。なぜ発表されなかったのかという記者からの質問に対して、「特にGT300の場合は、カテゴリーの違うFIA- GT2やJAF-GT、単一生産車のヴィーマックやガライヤなどいろいろなクルマが出ています。そういったいろいろな車種が多くいる中で、クルマの性能をあるレベルで合わせるという性能調整を目的としていますので、それを広くメディアを通して公にする必要が無いのかなと。それと我々の意図と違う面で報道されるということが見られましたので、今シーズン途中からこれに関する告知はエントラント、レース関係者に限定させていただきました。ただし、これは全体に守秘的なものではありませんので、メディアからお問い合わせがあれば私どもの方からご対応するようにしております。基本的に均一的な車両性能で白熱するレース、お客様に喜んでもらえるレースを我々がやっているということで、ご理解いただければと思います」と説明した。今後は、メディアから問い合わせた場合以外はスーパーGTの性能調整に関する告知はエントラント、関係者のみに為されることになる。

そりゃ細かいことを全部は理解できません。でも、どんな条件でレースが開催されているのかは一般の観客だって知りたいです。それを、結果として順位が拮抗していれば面白いんだからいいじゃん、っていうのは納得できないなぁ。だいたい、どうしてそんな細かい「特別な調整」が必要なのでしょう?そういうところに「大人の事情」が見え隠れしますよー。裏が表に出てしまうのはマズイし、ファンが離れる原因にもなりかねない。じゃぁいっそのこと全部隠しちゃえ、って感じなのかしら…はぁ。

最後に。「特別性能調整」という言葉を検索すると、昨年やシーズン前半の調整に関しての記述が検索結果上位に並び、今回の件に関する記述がほとんど表示されないような…謎。

*1:CSの中継では、今回の天候・路面状況にダンロップタイヤがマッチしているらしい、というコメントでした。

*2:前回の鈴鹿でマシンが炎上しエンジンを交換したので10グリッド降格となり、決勝のグリッドは12位でした。

*3:関谷監督の名台詞、「最後は"正義は勝つ"かな。」で締めくくられたあの年です。